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初めての臨時国会、駆け足の16日間。

今月21日、私にとって初めての臨時国会が終了しました。国会は何をやっているのか。外からはなかなか見えにくい実情について、簡単にご紹介したいと思います。

臨時国会とは、正式には「臨時会」(憲法53条)と呼ばれる国会の会期の一種で、内閣が必要と認めるときに招集を決定できるものです。毎年1月中に始まる150日間の通常国会(「常会」)の終了後、通常国会で成立をみなかった 法案や経済対策のための補正予算案などを審議するために、夏を挟んで秋口頃に招集されるのが一般的です。臨時国会には 決まった会期はなく、与党が会期を提案し、与野党の交渉を経て、衆参両院の一致で会期を議決します。一般的に与党側は速やかに法案を通すために短い会期を希望するのに対し、野党側はテレビ中継される予算委員会などでの審議時間の確保を求め長めの会期を求めることが多いとされています。

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報道によれば、今臨時国会では当初与党側が12月6日~17日の12日間の会期を提案したのに対し、野党側が審議時間が足りないとして難色を示し、折衝の末、衆、参それぞれ2日ずつの予算委員会を含む、12月21日までの16日間の会期となりました。こうしてそれぞれの立場や思惑が絡み合いながら国会日程は決まっていきます。

今回の臨時国会で政府は①令和3年度補正予算、②国内半導体工場整備のための補助金交付を可能とする法案、など三本の法案を提出。これら政府提出法案以外にも、議員立法で与野党から複数の法案が提出され、それぞれの審議が行われました。

初日の6日(月)は本会議です。開会式のあと、岸田総理大臣の所信表明演説が行われました。本来なら全衆議院議員が議場に出席するのですが、現在は新型コロナ対策のため、国会議員はA、Bの二班に振り分けられて、採決以外はそのどちらかの班のみが出席することになります。残念ながら私はB班でしたので総理の初めての 所信表明演説はテレビ視聴でしたが、 演説の最後で先日の松山東高を訪問したときのエピソードが紹介されたときには、大きな感動に思わずガッツポーズでした。

「授業で本格的に使い始めて間もないタブレットを使いこなし、受け身でなく、自分から行動する姿に、日本の未来を切り拓く「人」の可能性を強く感じました。」

そうだ、がんばれ、高校生たち! 

8日(水)から10日(金)にかけては、代表質問。所信表明演説をうけて、本会議場で与野党の質問者が立ち、岸田総理が答弁します。事前に用意したペーパーを読み上げる形式とはいえ、大きな議場に響く各議員の演説や議場からのやじは迫力満点で、これぞ国会という臨場感があります。

翌週、13日(月)からはいよいよ予算委員会がスタートしました。予算委員会は全閣僚が出席する最も重要な委員会とされているため、自民党の若手国対委員は4つの班に分かれて委員会室の後部に控えて委員会審議を見守ります。委員会は始まれば長丁場で、委員本人が他の会と重なるなどの事情で席を外さざるを得ないときに、 さっとその席を埋め、予算委員会に空席が出ないようにするのも我々国対委員の務めです。今回の予算委員会では、特に問題となった子育て世代への給付金の支給方法につき、現金かクーポン券か、ずっとテレビ中継が続くなかで緊迫したやりとりが続き、新人といえども一瞬たりとも気が抜けません。目の前の一言一言が夜のヘッドラインニュースになるのかと、一言も聞き逃すまいと緊張の一日でした。

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予算委員会と並行して各委員会が開かれ、議員はそれぞれ自分の属する委員会に出席します。私は厚生労働委員会と財務金融委員会の所属ですが 、今回は両会とも提出された関連法案がなく、実質的な審議は行われませんでした。代わりに、他の議員の「差し替え」として、半導体工場整備に関する法案が提出されていた経済産業委員会や、久しぶりに開催された憲法審査会に出席し、丁々発止の法案審議のやりとりや、憲法改正論議の進め方についての各党交渉の舞台を間近に経験させて頂きました。

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二日間の予算委員会を終え、15日(水)には、早くも衆議院での補正予算の採決です。夕方に本会議が開かれることが決まると党から各議員へ「禁足」が通達されます。禁足とは、一定の場所に留まり外出させないことを言います。いつ本会議が始まるか分からないので、議員は30分以内に国会に戻ってこられるようにとお達しが出るのです。禁足がかかると、議員はたいてい議員会館の周りで待機することとなります。法案を決議し、本会議場の正面玄関を出る頃には外はすっかり冬の夜空。ライトアップされた本会議場が威容を感じさせます。

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衆議院を通過した法案は、参議院に送られて同じように審議され、日程の最終日となる21日にはなんとか閣法3本、議員立法2本を成立させることができました。

国会を開く時期と会期は、これらのプロセスをすべて見据えながら交渉が行われ、決定されていきます。議員の失言やスキャンダルなどで国会が空転すればスケジュールに大きく影響し、予定していた法案が成立しない恐れが生じます。国会の現場に初めて参加し、国会運営における日程管理の重要性を再認識した16日間でした。

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私を国会の場に送り出してくださった有権者の方々、また、わからぬことの多い一年生議員の私をご指導いただきました諸先輩方に、改めて御礼を申し上げます。皆さんのお力添えあればこそ、国会議員として最初の一歩を無事に踏み出すことができました。

明年が皆様にとり良い一年となりますよう、皆さまのご多幸とご健勝を心から祈念申し上げます

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