NEWS

お知らせ・活動報告

緊迫するウクライナ情勢。政治家の責任。

2月26日-27日。緊迫の度合いを深めるウクライナ。今後は数百万人にのぼりそうなウクライナ難民につき、日本も一部受け入れを表明することを提案したいと考えています。理由は主に3点です。 一点目は、言うまでもなくウクライナの方々への人道支援の意義です。成人男性が総動員令の対象となる中、既に女性や子供など大量の市民が、ポーランドなど近隣諸国に避難する動きが加速しています。私たちと同じように昨日まで平和な日常生活を送っていた多くの市民が、突然のロシアの暴挙に生活や住む場所を奪われ、今も不安と寒さに震えています。その中には日本に暮らすウクライナ人のご家族や親類なども含まれているでしょう。難民の数が近接するヨーロッパ諸国の受け入れ容量を遥かに超える事態も予想される中、「人権外交」の推進を掲げる岸田政権としてその具体的な覚悟を世界に発信する好機です。 二点目は、ヨーロッパの危機にこれまで以上に主体的に支援の手を差し伸べる外交的意義です。今回のウクライナ侵攻を契機に、力による現状変更を窺う機運が世界各地に拡散することが懸念されます。近い将来、同様の事態が朝鮮半島や台湾など、東アジアで生じる事態も想定されます。目の前のヨーロッパの危機に消極的な対応に終始していては、将来のアジアの危機にヨーロッパをはじめとする国際社会の協力を期待することは難しいでしょう。難民受け入れについては極めて消極的と言われ続けてきた日本が、今回は単なる「支援」を越え、自ら難民受け入れの苦労を分かち合う姿勢と覚悟を示すことは、外交的にも重要な意義を持つ決断となると考えます。 三点目は、日本の危機管理能力の確立の観点からの意義です。台湾有事をはじめ将来の東アジアにおける危機シナリオを考える上では、いざという時の難民対応の能力を平時から構築し、整備しておく必要があります。言葉の問題をどうするか、就職の問題をどうするか、子供の教育はどうするか、恒久的に受け入れるか一時的な対応に留めるか。様々な難しい論点が出てくるに違いありません。だからこそ、今回のウクライナ難民への支援を通じ、日本の難民対処能力を磨き、現実的に国内で受け入れ可能な規模やそれに伴う予算の目安、社会体制の整備など危機管理態勢の強化を急ぐべきと考えます。 賛否両論ある難しいテーマだと思いますが、剥き出しの「力」を背景にした新たなリアリズム外交の時代に、怯まずに備えを進めるのが我々政治家の責任です。今週、党内でも提起して参りたいと思います。
一覧へ戻る