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子ども政策に関して厚労委員会で質問を行いました。

4月20日。衆議院厚生労働委員会にて質問に立たせて頂き、①難病を抱える子どもたち、②虐待に怯える子どもたち、③貧困に苦しむ子どもたち、④障がいを抱える子どもたち、に関して政府の考えを確認しました。以下、議事録です。またご意見など是非聞かせてください。

○塩崎委員 おはようございます。愛媛一区の衆議院議員の塩崎彰久でございます。厚生労働委員会では初めての質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。

今回の国会では、こども家庭庁設置法案が提出され、岸田総理も、子供に関する取組や政策が真ん中に据えられる社会を実現するというふうに発言をされております。この委員会でも、来週以降、児童福祉法改正法案などが審議されることになり、まさに我が国における子供の在り方が根本的に転換するかもしれない画期的な国会、まさに「子ども国会」と呼ぶにふさわしい、そんな国会になろうかと思っております。

そこで、本日は、子供に関する観点から四点ほどテーマを絞って質問をさせていただきたいと思っております。

1.難病を抱える子どもたちについて(ゲノム差別の禁止)

まず最初のテーマでございます。まず、難病を抱える子供たちについて。
令和元年に、政府としては全ゲノムの解析等の計画、これを採択をしまして、今、がんや難病の新たな治療法の確立に向けた治療精度の向上、こうした研究を進めており、まさに難病を抱えた子供たちは新しい治療法が見つかることを日々心待ちにしているわけでございます。

例えば、今年の二月に、慶応大学のグループが八十五人の赤ちゃんに対して遺伝子検査を行ったところ、四十一人の赤ちゃんについて初めてその難病の原因を突き止めることができ、二十人については新しい治療法の確立、こういったものが見つかったわけでございます。このようにゲノム解析というのは非常に大きな、大勢の子供たちに希望を与えるポテンシャルを持っているわけでございます。

一方で、大きな課題もございます。お手元の資料一を御覧ください。今年の四月の六日、日本医学会、日本医師会、そして当事者団体、がん患者団体、この四つの団体が、遺伝情報、そしてゲノム情報による差別や社会的不利益の防止の法規制を求める共同声明を出しております。


実は私も、地元で患者団体の皆さんのお話を伺ったときにも、まさにこのゲノム医療の推進については本当に希望を持っているんです、期待しているんです、でも、例えば、この人の遺伝子を見るともしかしたら重病にかかるかもしれない、だから昇進をやめておこうとか、そんな形で社会的な差別や不利益が起きるようなことがあっては本当に困るんです、そんな心配のお声を聞かせていただきました


そこで、まず厚労省に質問でございます。

今現在、日本で企業が採用の際に遺伝情報に基づいて差別を行うことを禁止するような法規制はあるかないか、簡潔にお答えください。

○田中政府参考人 現在、我が国において、企業が労働者を採用するに関しまして、遺伝情報に基づく差別を禁止する法制度はございません。

○塩崎委員 ありがとうございます。もう一点、重ねて聞かせてください。
では、採用した後、その従業員の昇進などにおいて、遺伝情報に基づく差別、これを禁止するような法制度はございますでしょうか。

○吉永政府参考人 我が国におきまして、昇進などの労働者の処遇につきまして、お尋ねのようなゲノム情報の収集やそれに基づく差別を禁止する法制度はございません。

○塩崎委員 回答ありがとうございました。このように、残念ながら、我が国ではいまだ、ゲノム情報に基づく差別、そして不利益な取扱い、こういったものを法的に規制するような法制度というのが十分整っているとは言いにくい状況でございます。

一方、海外では、二〇〇八年にアメリカではGINA法というものができまして、採用、昇進、解雇、こういった場面における遺伝情報に基づくような不利益な取扱い、これは禁止をされております。また、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、まさに我々がゲノム解析の計画を進める上でいろいろ参考にしている諸外国でも、こうした法制度が整っている次第でございます。

そこで、後藤厚労大臣に質問をさせていただきたいと思います。

我が国においても、やはりこの遺伝情報、ゲノム情報に基づく差別や社会的不利益を禁止するような法制度、これを早急に整備する必要があるのではないか、私はこのように考えておりますが、大臣において、このゲノム医療を進めていくという観点から、こうした法整備の必要性についてどのようにお考えか、また、現在、厚労省としてどのように取り組んでいらっしゃるか、この点について御回答をお願いいたします。

○後藤国務大臣 ゲノム医療を将来にわたって更に発展させていくためには、研究開発の推進や医療提供体制の整備を行うとともに、遺伝子異常が見つかった患者やその血縁者が差別などの不当な扱いを受けることがないように、ゲノムに関する教育や普及啓発、社会環境の整備を行っていくことは、今委員御指摘のとおり、非常に重要であると考えております。

厚生労働省としては、ゲノム医療に関する倫理的、社会的課題の検討のために、ゲノム医療を受けるための社会実現に関する研究事業を実施しております。また、採用選考の際に遺伝情報を取得したり利用したりしないように、パンフレットを用いて事業主に周知啓発を行っております。国民に安心してゲノム医療を受けていただくために、引き続き、関係省庁とともに必要な施策を検討してまいりたいというふうに考えております。

○塩崎委員 大臣、ありがとうございました。ゲノム情報に基づく不利益や差別があってはならないという大臣の今のお言葉、非常に心強く、子供たちや患者団体の皆さんにも届いているのではないかと思います。

2.虐待に苦しむ子どもたちについて(国家資格等の専門資格の創設)

では、次のテーマ、二番目のテーマでございます。二番目は、虐待に苦しむ子供たちについての質問でございます。

令和二年度、児童相談所における児童虐待の相談件数、これは初めて二十万件を超え、残念ながら過去最多を更新するに至りました。つい先月も、岡山で五歳の女の子が虐待の結果亡くなってしまった、そのお母さんと交際相手が起訴をされるに至りました。

児童虐待の問題、これに対する社会の対応をまさにしっかりとやっていこうということで、今国会においても児童福祉法の改正法案が提出されておりまして、まさに来週以降、詳しい審議が行われていくというふうに考えております。

ただ、その中で一つ、私が特に大事だと思っている点について、今日は御質問をさせていただきたいと思っています。

今回の法改正の中で、やはり一つ大きなテーマは、虐待が疑われる児童、その保護の判断に当たる現場の専門の方について、この専門性をどう向上させていくか、そして、そのための専門資格の向上であるというふうに考えております。

今回の法改正では、一定の実務経験のある有識者やそして現任者、こういった方について、国の基準を満たした認定機関の認定した研修を経て取得する認定資格、これを導入するということになっております。ただ、子供を家庭からまさに引き離して、そして保護するかどうか、こういうぎりぎりの判断をする重たい責任を伴ったお仕事でございます。やはりここは認定資格ではなくて国家資格とすべきではないか、こういった議論も多くあったところでございます。

この点、附則の第二条、この資料の二番を御覧いただければと思います。今回の法改正の附則の第二条では、この本文の下から四行目でございますが、

『支援実施者に関して、その能力を発揮して働くことができる組織及び資格の在り方について、国家資格を含め、この法律の施行後二年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる』

というふうにされております。

そこで、質問でございます。政府として、この附則第二条に従って、今後、誠実かつ速やかに検討を行うということをこの委員会の場でも確認をさせていただきたいと思います。また、検討を進めるに当たって今後、有識者会議などを設置する際には、今回の経緯に鑑みて、我々立法府に携わる者の意見も参考としていただくということを確認をさせていただければと思います。

○橋本政府参考人 子ども家庭福祉の現場でソーシャルワークを行う人材の専門性の向上を図るということを目指しまして、今般の児童福祉法改正案におきましては、一定の実務経験を有する有資格者や現任者につきまして、国の基準を満たした認定機関が認定した研修や試験を経て取得する子ども家庭福祉の認定資格を導入することとしております。

また、同じ児童福祉法改正案の附則の検討規定におきまして、認定資格の取得状況等を勘案するとともに、業務内容や必要な専門知識、技術、教育課程の明確化、養成体制や資格取得者の雇用機会の確保といった環境を整備しつつ、その能力を発揮して働くことができる組織及び資格の在り方について、国家資格を含め、施行後二年を目途として検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じることとしております。

今国会でこの改正法案を御議論いただきまして、改正法案が成立した暁には、子ども家庭福祉の現場における人材の早期の輩出を行う観点から、令和六年四月の認定資格導入に向けた施行の検討を進めるということが一つでございます。

もう一つは、これと併せまして、改正法案の附則の規定に沿いまして、施行後二年、すなわち令和八年四月ということを目途として検討し、その結果に基づいて必要な措置が講じられるよう、与党とも連携して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

具体的にこれをどのような形で進めていくのかということにつきましては、まだ今の段階で私ども具体的なイメージを持っているわけではございませんが、委員の御指摘も念頭に置きながら、今後、与党ともよく御相談させていただきながら、連携して検討してまいりたいと思っております。

○塩崎委員 ありがとうございました。もちろん附則に書いてあることではあるんですが、こうして委員会の場で橋本局長からしっかりと御確認をいただいたことは非常に大きいことだと思います。ありがとうございました。

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3.貧困に苦しむ子どもたちについて(養育費の支払い確保)

それでは、三番目のテーマに移らせていただきたいと思います。三番目のテーマ、貧困に苦しむ子供たちの問題でございます。

資料三の一を御覧いただければと思います。これは我が国における一人親家庭の貧困率の推移のチャートでございますが、左側を見ていただきますと分かりますように、最新のデータによりますと、二〇一八年、一人親家庭の貧困率、何と四八%でございます。つまり、一人親家庭の二世帯に一つは、現在、この日本において相対的貧困の中にいる、こういう現状でございます。
これが国際的に見てどれほど異常かということ、資料三の二を御覧ください。三の二、赤枠で囲っておりますのが、一人親家庭の貧困率の国際比較でございます。OECD三十六か国を比較したときに、日本は何と三十六か国中三十五位、我々の下にはコスタリカしかいない。言い換えれば、日本は世界で最も一人親家庭に冷たい国の一つになってしまっている、こういう現状でございます。

さて、この一人親家庭の貧困が高い原因の一つとして厚労省の報告書などでも指摘をされているのが、養育費の不払いが多いという問題でございます。
もう一度三の一に戻っていただければと思いますが、右側の表でございます。現在、養育費を支払いを受けている家庭がどれぐらいあるか、二四・三%。何と四世帯に一世帯しか養育費を受け取ることができておりません。
私の地元でも、シングルマザーのお母さんたちにお話を聞くと、やはり、別れてしまった旦那に養育費を求めてもナシのつぶて、連絡先が分からない、そして弁護士に頼もうと思ったら費用が高過ぎて心が折れてしまった、こんな話をよく聞くわけでございます。

こうした現状を一日も早く改善しなければいけないということで、養育費の支払い確保に関する政策を進めていただきたい、そんな思いで、我々自民党の議連においては要望書を出させていただきました。こちら、資料三の三でございます。先月、後藤厚労大臣、そして古川法務大臣にも、こちらをお届けをさせていただきました。

この中で、特に我々としては強く推したいのが、具体策の一番上でございますが、政府として養育費の受領率に関する達成目標を定めてほしいというところでございます。

今日はせっかく法務省にも来てもらっておりますので、法務省に確認をさせてください。

法務省としては、離婚時における養育費の取決め率、これについては七〇%を目指すという数値目標を設定しておりますが、先ほどの表に、見ていただきましたように、取決めはしても払われないという例がたくさんあるわけでございます。取決めだけでは問題解決にならない。是非、政府として、受領率に関する政府目標を立てるべきではないかと思っておりますが、この点についてお考えをお願いいたします。

○堂薗政府参考人 お答えいたします。厚生労働省の平成二十八年全国ひとり親世帯等調査によれば、母子世帯のうち、養育費の取決めをした割合や現在も支払われている割合がいずれも低調にとどまっておりまして、法務省としても、養育費の支払い確保は早急に取り組むべき重要な課題であるものと認識しているところでございます。


また、御指摘いただきましたとおり、法務省としては、まずはその取決め率の向上を図ることを目指して、離婚届に養育費の取決めをする割合を七〇%とする具体的な数値目標を設定して取組を進めてきたところでございます。
委員御指摘のとおり、養育費の支払い確保のためには、取決め率の向上だけではなく、その受給率を向上させることが重要であると考えられるため、引き続き、一人親家庭の支援を行う関係府省庁とも連携しながら、養育費の受給率向上に向けて様々な取組を進めるとともに、厚生労働省の行っている全国ひとり親世帯等調査の結果を注視してまいりたいと考えているところでございます。

○塩崎委員 ありがとうございました。この問題については、まさに省庁間の縦割りの問題が解決を妨げてきた背景もございます。今般、こども家庭庁が設置された暁には、まさにこういった問題についても政府一体として取組が進んでいくことを期待したいと思います。

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4.障がいを抱える子どもたちについて(介護支援基準の創設)

最後の質問でございます。最後、四番目のテーマは、障がいを抱える子どもたちについてでございます。

今、四肢の不自由な重度の障がいなどを抱えるお子さんたちにおいては、障害者総合支援法の下で、自宅において介護サービスを受けられる、いわゆる居宅介護と言われるサービスがございまして、全国で八千人ほどのお子さんたちが利用しております。しかし、この居宅介護を受けようとすると、大人と比べて問題があるということがございます。資料の四を御覧ください。大人であれば、大人の障がい者の方であれば、要件の③、④でございますが、重度障害者、中重度の障がい者であれば、一定割合以上を受け入れると、その事業者に対しては特定事業所加算が認められるような仕組みになっております。

しかし、児童、要するに障がい児については、この加算の前提となる障がい者の支援区分がまだ政府として定められていないという問題がございます。

この結果、障がいを持っている子供については、成人と同様にこの支援サービスを受けるときの事業所加算が認められないということになっております。そこで、質問です。

障がいを抱える子供たちが成人の障害者と同じ条件で居宅介護のサービスを受けられるよう、特定事業所加算の要件に重度の障がい児への対応を定めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○田原政府参考人 お答えいたします。お尋ねの居宅介護サービスの特定事業所加算でございますけれども、利用者に占める重度障害者の割合等に応じて、事業所に支払われる報酬に一定割合を加算する仕組みとなってございます。

この特定事業加算の算定に当たりまして、重度の障がい児の人数が考慮されていないということによりまして、現場で支援に当たっていらっしゃる居宅介護サービスの事業者、それからサービスの利用を希望される重度の障がい児がいらっしゃる御家庭で御苦労されている状況があるということは、委員からもいろいろと伺っているところでございます。

この特定事業所加算を含む障害福祉サービス等報酬につきましては、これまで三年に一度改定が行われているところでありまして、報酬改定に当たっては、障がい者の関係団体から御意見をお伺いし、有識者に参画をいただきながら、公開の場で検討を行っているところでございます。次期改定に際しても、現場の声をしっかりお聞きしながら、よりよい報酬の在り方について検討してまいりたいと考えております。

○塩崎委員 ありがとうございました。

今日は、難病を抱える子供、虐待におびえる子供、貧困に苦しむ子供、そして障がいを抱えるお子さん、こうした子供たちの問題について取り上げさせていただきました。どうしても、投票権を持たない子供の声というのは民主主義のプロセスで忘れられがちでございます。だからこそ、政治が温かい目を届けるということがとても大事なんだなと。今日ここにいらっしゃる厚生労働委員の皆様と一緒に、私も勉強してまいりたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございました。

<インターネット中継はこちらからご覧ください。>
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=53937 

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