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2022年、新しい年が始まりました。皆さま、本年もどうぞ宜しくお願いします!
おそらく世界初の試みとなったのではないでしょうか。1月7日に、等身大アバター(デジタル分身)を使った「バーチャル街頭演説」の実験を行いました!
まず松山・大街道の一番町口に、私の姿がすっぽり収まるほど大きいLEDパネルを設置。開始時間になるとそこに、今回オリジナルで制作していただいた私のアバター「あっきー1.0」(仮称)が映し出されます。アバターとは私の似姿をとったデジタルのキャラクター画像のこと。かなり「盛って」造形していただいたようで恐縮しきりですが、デジタルの世界で自在に活動できる自分のアバターを持つというのは、思いのほかうれしいもの。文字通り世界が広がった感覚に浸れます。これが画面内で自在に動きながら、街頭演説を行います。
肝心の私は、松山の現場ではなく、前日の雪の残る東京の議員会館事務所に。東京と松山を結んでリアルタイムでアバターを動かすとなると、かなり大掛かりな設備が必要なのかと思ってしまいますが、実際はそうではありませんでした。私のほうでは、机の上にパソコン一台を置き、首の周りにセンサーをぶら下げるだけで準備完了。それで手や頭を動かせば、アバターがまったく同じように動いてくれる仕組みです。
緊張の中、中継スタート。想像していたよりもずっと自然かつ滑らかにアバターが動いています。時差もほとんど感じません。観衆の皆さんが一緒に拍手をしてくれています。通りすがる歩行者の方々がパネルを覗き込んで「塩崎さんだ」と声を上げてくださる声が聞こえます。まるでその場にいるような一体感です。
テクノロジーの力を活用して、東京に居ながらにして松山で街頭演説する日が来るなんて。技術の進歩にただただ驚きです。
オリジナル技術の高輝度LED「Monolis(モノリス)」を用いるこのシステムを開発したのは、松山の株式会社三五屋さん。昨年末、松山市内でDX(デジタル・トランスフォーメーション)勉強会に参加した際、実物を見せて頂いたのがきっかけでした。
創業57年の電気機器卸の3代目として何か新しいことをと挑戦している徳岡社長。「アバターを通じて、年齢や見た目や身体機能に関係なく、誰もが自在に活躍できる共生社会を創っていきたい。」という徳岡さんの熱い思いに深く共感。と同時に、松山にこれほど先進性と優位性を兼ね備えた技術があることに感銘を受けました。「何か一緒にできるといいですね」という軽い会話から、今回のコラボレーションが実現しました。
バーチャル街頭演説で私は、今年の展望として、日本社会が直面するであろう3つの挑戦についてお話をさせていただきました。
ひとつには、コロナ禍を乗り越える挑戦。米国CDCの発表によれば、オミクロン株の感染力はデルタ株の3.2倍。政府が想定していた「最悪のケース」を上回る変異株の威力です。まだしばらく辛抱の時期が続くことを覚悟して、病床確保や自宅療養者のケア体制の強化などに全力で取り組んでいかなければいけません。
ふたつめに、世界的サプライチェーンの制約をどう乗り越えるかという挑戦。昨年以来、木材や半導体、最近は私の大好きなフライドポテトまで、ジャンルを超えて特定のモノの供給が滞る事態が起きています。世界のどこかで生産が停止したり流通に目詰まりが起きると、たちどころに影響が全世界に及ぶ相互依存度の高いシステムの中で私たちは暮らしています。今年もそうした波が続くことを想定し、しっかり対策と心構えをとっていく必要があります。
みっつめは、デジタル革命の波にどう乗り遅れず、どう乗り越なしていくかという挑戦。暮らしのあらゆる側面に、どんどんデジタルが浸透していく時代です。ビジネスの世界でも、「メタバース」と呼ばれる三次元のデジタルオンライン空間での商取引が急速に拡大しようとしています。政治の世界でも、政府は昨年9月にデジタル庁を立ち上げ、自民党内では私も役員を務めるデジタル社会推進本部を中心に活発な議論を行っています。デジタル技術を使って国全体の利便性と生産性をどう上げていくか。失敗を恐れず社会全体で前に進む意志がますます大事になっています。
https://youtube.com/watch?v=crU0JJxt9vc%3Frel%3D0
私がお話させていただいたあと、街頭に来てくださった方とのQAタイム。高校生の参加者の方からは「どうすればデジタルの力を使って地方から起業できるか。また政府としてはどのような支援を行えるのか」というど真ん中の質問を頂きました。
デジタル技術の進展・浸透はまさに、地方のビジネスにとってこそ大きなチャンスになると思っています。ずっと身近になったビデオ会議システムやメタバースなどの新たなビジネスインフラを通じて、地方にいながらにして日本中、いや世界と直接勝負できる環境が今まで以上に整ってくるでしょう。
デジタルを活用すれば、何をするにせよ時間や場所の制約を乗り越え、今まで以上に純粋に中身で勝負できるようになります。ということは、たとえば地方で新しいビジネスを立ち上げ起業したいと考えている人は、いいモノやサービスをつくることに集中しさえすればいくらでも可能性が広がるわけです。
「何でもかんでもデジタルに置き換えていくのはいかがなものか。リアルでできることはできるだけリアルな世界でやっていくべきでは?」
とのお声もいただきました。もちろんその視点はたいへん大切ですし、生身のコミュニケーションが基本であることは決して忘れてはいけません。そのうえで新しいデジタル技術をうまく取り入れていく工夫が必要なのでしょう。
松山にも実際、今回ご一緒させていただいた三五屋さんのように、すごい技術や力を持った事業者がたくさんいます。愛媛からたくさんの「日本一」や「世界初」が生み出されていくことを夢見て、私もできるかぎり応援させて頂きたいと思っています。新しい技術、面白いアイデアをご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください!
たくさんの失敗や挑戦の先にこそ成功はあるもの。三五屋さんをはじめ、今回の実験にご協力いただいた大勢の皆さまに心から感謝申し上げます。トライアンドエラーの精神で、前向きに挑戦するマインドを持っていさえすれば、「日本から世界へ」「松山から世界へ」が実現できる。
2022が、そういう時代を皆さんと一緒に切り拓いていくその第一歩となるよう、全力で精進して参ります!