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挑戦から2か月:子育て世代とシトラスリボン

 法律事務所のパートナーを退任し、政治への道に飛び込んでから二か月が経ちました。暑い日差しの中、町中をひたすら歩き、地元の方々の声を聴く毎日。いつの間にか田んぼの稲は大きく伸び、豊かに緑色の穂を揺らしています。
 二度目のまん延防止等重点措置で市内の賑わいはすっかり消え、会合もできなくなった秋の夜長はオンライン会議が増えました。先日は同世代で仕事を持ち子育て中の4人のお母さんが集まってくださいました。

 Aさんはピアノの先生。育ち盛りの3人の子どもたちを抱えていて、どうしても手が回らなくなると郊外の実家の両親に子どもをみてもらっていましたが、最近は「松山から(子供が)きたよ、ということが近所の話題になってしまう」ようで、なかなかそうもできなくなっているそう。仕事にも支障をきたして、困っているのだと教えてくれました。
 伊予市でふたりの男児を育てながら、自営業をしているのがBさん。近所にひとり暮らしのおばあさんがいて、今年は子どもや孫が帰ってこられなくて寂しそうな姿を見て、「何か力になれることはありますか?」と、初めてこちらから声がけをしたそうです。遠くの身内に頼れない今、改めて地縁の大切さを見直す機会にできたらいいなと思います。
 フォトグラファーのCさんは、ふたりの女の子を育てています。妊婦さん支援の活動もしていますが、このところは里帰りも周りの目を気にしなければならず、妊婦さんたちは苦労なさっているといいます。ワクチンに対する不安も渦巻いていて、妊婦さんたちの間ではインスタグラムの「ストーリー」でワクチン接種のアンケートがよく流れてくるそうです。
 ふたりの女の子を育てている事業経営者のDさんは、ワクチン接種に慎重です。子どもに打たせていいか確信が持てないでいるとのこと。マスクについてもそうですが、国が「こうしなければならない」と押し付けないでほしいと感じておられるそうです。

 私は日ごろ緑色のリボンを胸につけています。訪問した病院のスタッフの方から頂いた愛媛発祥の「シトラスリボン」(https://citrus-ribbon.com)。新型コロナウイルス感染症にかかった方やその家族、医療従事者やエッセンシャルワーカーへの差別や偏見防止の運動のシンボルマークです。
 歴史的にも感染症が流行すると必ず差別の問題が起きてきました。そのため感染症法には、感染者等の人権への配慮が基本理念にしっかりと書き込まれています。これまで経験したことのないパンデミックに世界中が不安に陥っています。感染者や感染地域、ワクチン接種を巡る人権の問題などについても、私たちは当事者の立場に立ってより細やかな配慮を心掛けていくことが必要だと改めて気づかされました。


 昨日参加してくださった方々は、オンラインでなければ仕事や家事で忙しくてミニ集会のような場にわざわざ足を運んでいただくことは難しかったかもしれません。しかし、コロナ禍をきっかけとして、こうして家族や家庭を支える現役世代の皆さんとも、より簡単にお話することができるようになりました。皆さんそれぞれに悩みを抱えながらも、縮こまって嵐が過ぎ去るのを待つのではなく、みずから積極的に考え、動いて希望を見出そうとしておられました。妻の転勤以来、私自身も子育てや家事に試行錯誤を重ねてきましたが、皆さんの前向きでポジティブな姿勢に、すっかり励まされました。ご参加いただいた4人のお母さまたち、本当にありがとうございました!

 必要は発明の母といいます。強い意志があれば、ピンチはチャンスに変えられます。新しいコミュニケーションのツールを思い切り活用し、より広く、より身近に、多くの方と繋がっていきたいと思います。

 これからもどうぞ宜しくお願いします。

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