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はじめての委員会質問。スタートアップ支援を成長戦略のど真ん中に。

2月16日(水)、予算委員会の第7分科会(経済産業省)にて国会議員として初めて委員会質問に立たせていただきました。

【審議中継はこちらからご覧いただけます。】

予算委員会第7分科会にて緊張の初質問

         

国の予算案には膨大かつ多岐にわたる内容が含まれているため、予算審議が終盤になってくると衆議院の予算委員会では各省庁に分かれて8つの「分科会」で審議が行われるのが通例です。普段質問に立つ機会の少ない与党の若手議員にとっては、委員会質問を通じて自分の考えを政府にぶつける貴重な機会となります。

 質問者選定の正式な連絡が入ったのは、14日(月)の午後。16か17日のどこかで、経済産業委員会と総務委員会に立つことが決まったとのこと。いきなりふたつというのは予想外でした。

 連絡をいただいた直後から、質問事項を出してくださいと各所管省庁から矢の催促。役所側からすれば、質問に応じる大臣の答弁を策定しなければならず、そのための時間をすこしでも長く確保したいでしょうから当然の対応です。でも初めての展開に慣れない私も事務所スタッフも大慌てです。

 元々入っていた午後の会合の合間を縫って、それぞれの役所の予算案やこれまで発表されている政策を調べ、それらを自分が抱いている問題意識と照らし合わせてテーマの設定を急ぎます。さらには確認したい論点を見定め、既に過去に同じ質問がなされていないかチェックし、データを取り寄せ、新しい意見が引き出せそうな切り口をipadに箇条書きしていきます。

 このあたりは時間との闘いです。日頃のニュースで「霞ヶ関の残業が多いのは、質問通告が遅いから」という話をよく耳にしているだけに、早く出さなくてはと気ばかり焦ります。こんなことなら、分科会設置の話が出ていた先週段階で、いつ連絡が来てもいいように今週の予定をキャンセルして時間を空けておくべきだったと深く反省。なんとかその日の18時過ぎに質問事項をまとめて提出しました。

 ところがやっぱり慌てて作った質問事項には色々ご指摘が入ります。翌朝から、会館事務所には質問項目に関する注文や問い合わせが役所から続々。「この質問の意味が曖昧でわからない」、「この点は違う役所の管轄です」などなど。財金委員会に出席している間にも事務所スタッフからの悲鳴のメールで携帯は震えっぱなしです。

 そうこうしているうちに、15時に「質問レクチャー」が入りましたとの連絡。経産委員会に提出した質問テーマに関連して経産省や内閣府などから10人ほどの役人の方々が会館に来て、第一問から順に質問主旨の確認と省庁間の担当割の協議が行われていきます。「レク」と名前はついていますが実態は交渉の場に近い雰囲気。これがしっかりできていないと、正確で中身のある答弁が出てこなくなってしまいますから、双方とも真剣です。

一問一問丁寧に質問の意図を確認します

経産委員会、総務委員会それぞれ1時間ほどみっちり話し合いをしていると、メモが入り質問に立つ日時が決まったとの事。まずは翌16日の午前中の経産委員会が初質問となりました。

 翌朝の午前10時25分、予算委員会第7分科会(経済産業省)が開かれている分館3階の第12委員会室に到着。壁に掛かる永年在職議員表彰の先輩方の肖像画がいつも以上に荘厳に感じられます。前の質問者の持ち時間が終わり、いよいよ私の番が回ってきました。持ち時間はきっちり30分。短くても長くてもいけません。

 国会議員として「初めての質問」に立つ機会は、誰しも一回きりです。どのテーマを最初の質問とするか、候補はいくつも浮かびましたが、ここはやはり弁護士時代からの自分のライフワークであり、選挙時の公約でもある「スタートアップ支援」を正面から取り上げることにしました。

初質問の答弁者は萩生田光一経済産業大臣

年初に岸田総理大臣が「スタートアップ創出元年」を宣言したことにつき、なぜ今スタートアップなのか、その背景や意義を問いました。加えて、なぜ海外と比べて我が国はユニコーン企業(企業価値10億ドル以上、創業10年以内、非上場)の育成に大きく出遅れているのか。また、地方にこそスタートアップや社会起業家の活躍するチャンスと需要がありもっと政府支援が必要ではないか。こうした論点につき、客観的なデータや地元の声を交えて質問と訴えをさせていただきました。

米中だけでなく、日本よりも人口・経済規模の小さな国にも見劣りするユニコーン企業数

萩生田光一経済産業大臣からは、

「経済成長を今後も生み出していくためには、世界の趨勢を見ても、社会課題の解決に果敢に挑戦するスタートアップがイノベーションの担い手の中心となっていくことが不可欠である。」

とスタートアップの重要性について明快なご答弁。と同時に、

「VC(ベンチャーキャピタル)からスタートアップへの投資が不足しており、海外と比べてグローバルに成長するスタートアップが質量ともに少ない」

と我が国の抱える課題についての認識も披露して頂きました。さらに、ご自身の文部科学大臣時代の体験を踏まえ、子どもたちが起業や経営者に憧れ、親や社会がそれを心から応援できる土壌を築いていかなければならないと心のこもった答弁。役所の作成した想定問答に縛られず、政治家としてのご自分の想いを織り交ぜながらお答えいただきました。

どうすれば地方からより多くの上場企業を誕生させられるか

現在政府内で主にスタートアップ政策を所管するのは経済産業省の経済産業政策局・新規産業室。これを「室」から大幅に格上げし、「中小・スタートアップ企業庁」としてはどうか。質問の中でそんな提案もさせていただきました。さすがにこれは「貴重なご意見として受け止める」とかわされましたが、そのあたりは想定の範囲内。ただ、こうした問題提起が、政府が6月までに策定を目指す「スタートアップ創出5ヵ年計画」に反映されればと期待するところです。

 持ち時間の後半には、こちらも私の専門領域である危機管理問題を取り上げました。地震調査委員会の本年1月の発表で、南海トラフ地震発生確率が、今後40年で90%に引き上げられたことについて、住民が過度に不安とならないよう背景説明を求めました。
 また、佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発の地理的特殊性を紹介し、万が一の事態には、陸・海・空あらゆる避難手段を用いた極めて難しい広域搬送が不可欠であること、そのため災害対応フローの標準化や国のさらなる支援強化が必要であることにつき要望させていただきました。

難易度の高い伊方地域の緊急事対応

初めての質問を終え委員会室を出たときは、期末試験を終えた学生のようなほっとした充実感。反省点は山ほどありますが、立法府に所属する国会議員として、これこそが議員活動の基本だ、という手ごたえを感じることができました。

 と同時に、日頃の準備の大切さを痛感しました。普段から地元を徹底的に歩き、現場の声によく耳を傾け、素朴な疑問を書留めておき、各部会などで政策を徹底的に深掘りしておくことがいかに重要か。それでこそ、急に質問者として出番がまわってきたとしても、慌てずに自分の考えを展開し、国政に付加価値を提供できるはずです。

 初めての質問を終えた後のこの思いを忘れず、引き続き皆さんの現場の声をしっかり国政に届けるために全力を尽くして参ります。

現場視点を忘れず、今後も全力で取り組みます!
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